「ライターの仕事をしようかな」
と父に話したら、
「小説を書いたらいい」
と言われる。書いてみたいが、書きたいことがさっぱり思い付かない。ただ、文章を書いたり読んだりするのは好きである。私は本を読むのが好きだったが、父も読書好きだった。子は親に似る。
私は漫画も映画も好きだが、父に言わせると、
「漫画や映画は既に映像化されていて、想像力の入り込む余地が無い。小説なら、例えば『美女』という単語から、読み手が自分の好きなように想像出来る。」
だそうである。言われてみれば確かにそうだ。抽象から想像力を使ってイメージを膨らませる余地が小説には有ると思う。