kotsulisのレース編み blog

チクチクレース編みの日々。

アレクサンドル カバネル 『ヴィーナスの誕生』


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(画像/ウィキペディアより)

19世紀フランスの画家、アレクサンドル・カバネルの「ヴィーナスの誕生」。

ナポレオン3世が買い上げた事で有名だが、そういったエピソードより大事なのは、この作品の放つ圧倒的な官能性だろう。

ヴィーナスはギリシャ神話の愛と美の女神だが、この絵のヴィーナスは、まるで情事の後であるかの様な気だるい表情と、均整の取れた豊かな肢体を晒している。抜ける様に白く滑らかな肌、長くうねった髪、正に女神と言うべき、女性の美しさを体現している。

初めてこの絵を見た時ーといっても画集でだがー余りの艶やかさに、茫然と見つめていたのを覚えている。女性の私が観てそうなのだから、男性の目には一体どの様に映るのか?

女性の裸を描いていながら、淫靡に堕ちる事無く、それでいて官能を失っていないのだから、カバネルの才能と技術には、ただ圧倒されるしかない。