kotsulisのレース編み blog

チクチクレース編みの日々。

サンドロ・ボッティチェリ 『 ヴィーナスの誕生』


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(画像/ウィキペディア)

言わずと知れたルネサンスの巨匠、ボッティチェリの大作、『ヴィーナスの誕生』。本作は『春(プリマヴェーラ)』と対になる形で、メディチ家より発注された。『春』に描かれたヴィーナスは『地上のヴィーナス』、本作は『天上のヴィーナス』を描いたものと言われる。

先ず目に飛び込むのは、豊かで上品な色彩である。画面中央に、海から産まれたばかりのヴィーナスが貝に乗って配置され、西風の精霊ゼロフィスとその妻、フローラが祝福の風と花を送って、ヴィーナスを岸へと押している。岸には時の女神ホーラが、布を着せようと待ち構えている。

ヴィーナスは「恥じらいのポーズ」をとって立ち、首は不自然に長く描かれている。ヴィーナスの美しさを強調するためと言われている。『天上のヴィーナス』の名に相応しく、清純な美を体現している。

ヴィーナスの誕生の瞬間を劇的に捕らえた、美しいフレスコ画である。