今日は雨
今日は朝から冷たい雨が降っている。しかし、雨という奴は、どうしてこう、無条件に人をうら寂しい気持ちにさせるのか。ただ単に水滴が空から落ちてくるだけの事ではないか。
だが、砂漠地帯に住む人にとってはどうだろうか?「恵みの雨」という言葉が有るように、もしかしたら雨は喜ぶべきものかもしれない。だとしたら、何故私は雨が降ると悲しい気持ちになるのか?
子供の頃楽しみにしていたイベントが雨で中止になり、残念な気持ちを味わったからだろうか?いや、確かに残念だったが、悲しみとは違う感情だった。
思うに、映画や小説などで、人間の悲しみを表す表現としてよく雨が降るシーンが使われていたからだ。それを繰り返し見たり読んだりしているうちに、
「雨=悲しい」
という図式が刷り込まれたのである。私のオリジナルの感情ではないのだ。一体私に真の意味でオリジナルな感情など有るのだろうか?全ては、
「人間とは、こういう時はこういう感情を持って然るべき」
という刷り込みではないのか?もしそうなのだとしたら、子供の頃から触れる本や大人など、感情の刷り込みを行うものの選別は重要である。それが子供と関わる者の責任なのだろう。